これがネパールの留学希望者たちの実情
先日、日本にある日本語学校より留学生送致に関するご相談をいただき、当方としても今後の協力体制を検討するため、入管申請に必要となる書類や手続きについて詳細な説明を受けた。 これまで当校では留学生を対象とした授業運営を行ってこなかったため、制度理解と実務把握を目的として、カトマンズ市内および地方の日本語学校に対して情報収集を行った。
調査を進める中で、ネパールにおける留学準備の実態と、日本の日本語学校が求める学生像との間に大きな隔たりが存在することが明らかとなった。 特に、学生の多くが「N5級を取得しなくても日本へ行ける」「日本に到着してから勉強すればよい」と考えている点は深刻レベルであった。 また、学校側も「何名学生を受け入れてもらえるか?」「面接は簡単か?」といった視点を重視し、教育機関としての本来の役割よりも送致数(お金)を優先する傾向しか見えなかった。

さらに、多くの学校では第15課程度の学習段階で面接準備を開始し、日本側の質問に対して「暗記した答え」を返す練習を行わせている。調査対象校の9割以上がこの方式を採用しており、学生の実際の日本語力や理解力を測ることが困難な状況であった。 このような学生が来日した場合、日本での授業理解や生活適応において大きな困難が生じることは必至であるのが容易に想像できた。
以上の状況を踏まえ、面接時に以下の点を重視されることを強く提案
【提案事項】
1. 暗記では対応できない質問を用いた面接の実施
基本的な質問を学生にするのではなく、学生自身の語彙力・文法運用力・理解力を確認できる質問を用いるべきである。 例:
- 「昨日の勉強内容を長文で説明してください」
- 「最近困ったことは何ですか」「どのように解決しましたか?」
- 「あなたの町と日本の違いを説明してください」
これらは暗記では対応しづらく、実力が明確に表れるのでおすすめしたい。
2. 基礎文法(〜ます形・て形・辞書形)の運用確認
第15課程度の暗記会話ではなく、基礎文法を使った自由回答を求めることで、実際の授業理解力を測定できる。
3. 学習姿勢・継続力の確認
日本語力だけでなく、学習習慣・目的意識・生活態度も確認することで、来日後のトラブルを未然に防ぐことができる。
【期待される効果】
- 日本での授業が円滑に進み、教師側の負担が軽減される。
- 学生自身が早期に日本語力を伸ばし、アルバイト探しや生活適応が容易になる。
- 留学生活の質が向上し、最終的にはN2級合格者の増加が期待できる。
- 貴校の教育品質が高く評価され、長期的な信頼構築につながる。
ネパールにおける留学準備の現状を踏まえると、適切な学生選抜は日本語学校にとって極めて重要な課題である。 形式的な面接ではなく、学生の実力と姿勢を見極める面接方式を採用されることを強く推奨するものである。