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現地報告 ネパールで日本語学ぶ学生の現状

1週間にわたって、郊外にも足を延ばし、ネパールの日本語学校を複数巡ってきた。

経由地の成都からヒマラヤ・チベットの上空を3時間飛行しながら、日本語学校運営が盛んなネパールに到着

カトマンズから国内線に乗り換え、東の国境にほど近い空港のあるバラトプールへ。 インド平原が続くため、畑が延々と広がり、この地にもわずかではあるが日本語学校がある。 バラトプール周辺では気温が40度を超えているため、日本から来たばかりの私の身体は非常に堪えた。

翌朝7時から、学生全員を対象に、毎月行っている日本語能力試験(N4,N5)を実施。 学生の日本語習得率を確認する。 この学校からは先日行われたJFT日本語試験(250点満点)において、ネパールで4名輩出した満点合格者4名のうち、3名が出た。 非常に日本語力が高い学生が多いため、この学校からも実習生として日本にやってくる学生が多い。

とにかく、日本語を教える先生の質が高く、生徒たちに厳しく指導しているのが印象的である。

お昼過ぎから、学校からの意向もあり、日本への留学・実習生・特定技能に関するセミナーを実施。 留学生を目指す学生よりも、特定技能を目指す学生、または実習生を目指す学生が多いとのこと。 理由は留学生として日本に行く際に行く時に掛かる費用が他のビザに比べ、非常に高額であり、それを4年間にわたって払い続けると言う点である。 また留学したとしてもアルバイト時間の制限(28時間以内)を厳守しなければ、途中で留学ビザの延長が拒否され、ネパールに戻ってこなければならないと言うこと。 これからの理由が学生にとって留学を望まなくなった大きな要因である。

この会場に集まったほぼすべての学生は日本での就労を目指す。 当初留学を目指していた学生ばかりだったが、日本の情報を正しく得ることで、就労が可能な特定技能、または実習生としていく学生ばかりに変わったと言う。

ビザの種類が異なることにより、試験の方法や他国の学生との競争に勝ち抜かなければ、日本での就労が難しい旨を伝え、彼らは真剣に私たちの話を訊いた。

そして、ある学生から・・・ 『ネパールで大学を出ていれば、日本の就労ビザがもらえるという話を聞いた』が本当か?  『ネパールの大学証明書を作成して、日本に行く学生が多い、お金を払って大学証明を作っていく方法がある』と聞いているが、どうなのか? そんな意見が学生の口から出てくるようになった。

カトマンズを中心に、日本の入国制度を悪用し、入国を手助けするブローカーが存在するため、学生たちは間違った知識を得て、簡単に日本を目指すようになっている。 今後この傾向は一気に増えていくことが予想されるため、日本の入管審査の改善を願いたいところである。

遠隔地にいる学生に対しては、リモート会話チェックを行った。 自己紹介だけでは見抜けない彼らの日本語力を試すため、言葉を少しずつ変え、想定練習されていないだろうと思われる語彙を使って、彼らの会話力を見極める。

各レベルに合わせて日本語力試験を行う。 合格点は80点以上に設定し、この学校で指導する先生にも責任・義務を持ってもらい日々の指導を行っている。

入学してきたばかりの学生もとりあえず試験を受け、日本語テストというものを知ってもらう。 この結果を見て、クラス分けが行われ日々の授業がスタートしていく。

先生を含め、スタッフ総出で試験の採点を行う。 同時に、壁に掲示される試験結果を見て、喜びの声、ため息が部屋中に広がる。

今回6つの日本学校を訪れ感想であるが、先生の指導能力の差により、学生の日本語力のレベルが大きく異なっていた。 また安易に日本へ行ける噂に飛びつく学生も多く一生懸命勉強をする学生の割合が少なくなってきたような状況であった。

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