本音で語るネパールの実情!(2) 企業様、読んでください。
ネパールから直接日本にやってきた特定技能者の転職が急増中。
特定技能VISAで入国している学生(介護・農業)が増え、日本国内でネパール人の活躍が更に見られるようになってきた。 非常に嬉しいことである。
コロナ禍の際、人材不足で悩む多くの企業が海外で暮らす特定技能の資格を持つ(日本語試験合格・技術試験合格)学生を集めてきた。 多くの学生(留学生や実習生 計70万人)が入国している現状のなか、日本で活躍する特定技能の学生をターゲットとした、転職を斡旋する情報も目立つようになってきた。
ネパールから特定技能の資格で日本に入国した学生(特に介護資格の男性)も他国の学生同様、転職に関して非常に興味を持ち、心揺れる学生が多い。 私たちのところにも1週間に2人ペースで問い合わせが入ってくる状況である。
約30年にわたりネパール人と接し、ネパール人を育成する立場の者として正直に言うと・・・
今回の転職の流れは大いに予想されていたことで、残念だが企業が求めていた外国人材が定着し、他のスタッフと共に活躍する形とは程遠い状況になりつつである。
ネパールは『観光・農業・出稼ぎ業』が国の大きな外貨収入の政策を推している。 多くの若者が外国に行くことが通常であり、山間部で暮らす適齢期の若者は中東を中心にマレーシア、ヨーロッパ、日本等を目指す。 今回特定技能VISAという新たなVISAが創設され、ネパール人がこぞって特定技能VISAの扉を叩いた。 当初ネパール国内で実施される職種も介護だけだったため、誰もが試験に挑んだ。
特定技能VISAの制度上、2つの試験合格という条件の上で、企業と契約を結べば入国ができるので、互いにとって良いシステムだったのだが・・・・ しかし、ネパールの若者はその企業で長く働くという思いよりも、先ず、日本に行って働き、嫌なら別の企業で働けるという思いで来ているのが実情である。 特に、介護で日本を目指した男性は・・・この仕事をしたいのではなく、日本に行くための手段と考えている傾向が非常に強い。 ネパールではもともと、両親を世話するのが女性の仕事であるという観念が強く、また介護では当たり前なトイレの仕事もネパールではタブーな仕事として見られている。 男性が両親の世話するのは病院に連れて行ったりするハードの面だけと言っても過言ではない。
残念だが特定技能ビザのルール上、転職の自由は認められており、 制度を利用して更なる転職は増えていくと大いに予想できる。 特に地方にある企業は都会の企業に比べ、賃金格差が大きいためその影響は大いにあると思う。
これらの問題点をどのように企業は捉え、改善していくか? 今のところアイデアは無い。 彼らはお金を稼ぎに来ているので、日本の常識も伝わりにくい。
今、真剣にこの問題を考えないと、さらなる労働者不足により、企業そのものの存続が危ぶくなる。
ちなみに、ネパールでは特定技能VISAの受け入れ人数【350,000人】はネパール人の枠として、当時、ネパールのテレビで報道されいた。 現在でも日本からの情報がネパールメディアによって掻い摘んで放送されていることが散見される。 彼らの国民性も相まって、特定技能の試験に合格すれば、すぐに日本で働くことができると思っている学生ばかりである。 決してそれが間違いではないのだが・・・ 『企業面接のテーブルに彼らの名前が上がり、他国の学生との競争を勝ち抜いた者』というのが抜けている。 まだまだ制度ありきで動いている現状のため、今後どのような形で動いていくか・・・手探り状態が続きそう。
企業様へ・・・
日本で活躍する学生には本当に立派な者もいるし、見劣りする者もいるなか 企業様はどのような視点でどのような学生を求めるか・・・ ? 本音で伺いたい。
ネパール人に対する高評価の噂だけで選ぶのではなく、しっかりと現地面接と実技試験を経て学生を選んでいただくことを強く願いたい。
面接後は・・・入国までのプロセスを企業様の厳しい視点で、しっかりと直接確認していただきたい。
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