3年間の実習を終え、その後の進路は・・・・
約3年前にヒマラヤを離れ、実習生として日本にやってきた3名のネパール人実習生たち。 先月行われた技術の2号試験も高得点で合格し、今後の進路についてとても気になっていたところだった。
今回、企業様からの要望、そして学生たちの要望があり、富士山が見える企業様へ訪問した。 彼女らの意見をしっかりと企業に伝え、また企業からの要望に対して彼女らが分かるように通訳するのが私の仕事である。
訪問時、1人の学生がたまたま休みだったため、私たちの為にネパールの伝統食であるダルバートを作ってくれた。
私たちが訪れる数日前に連絡があり、食事の味付けについて、いろいろと尋ねてきた。
彼女らは日本での生活にすっかりと馴染み、企業の中でしっかりと結果を出してきている。 企業からの声も非常に評判が良く、とても嬉しいのだが、今回は彼女らの今後の進路もあり、いつもとは違う気分で訪れた。
通訳者として、相手の言葉をそのまま訳すだけではない。 しっかりと相手が伝わるように理解させるところまでするのが仕事である。 時には書面にて書いてもらい、水かけ論争にならないよう、彼女らにしっかりと自身の手で記載してもらい、通訳者が記録するのである。
❖ひとり一人進路確認を行う❖
ネパールからやってきた3人は仲間であり、仕事の中では互いに競い合い、一生懸命実習を行っている。 そのため3人がどのような進路を希望しているのか?
現在の入管ルールを伝え、彼女らの希望を聞いていく。 また企業からの要望も伝え、どのような進路がベストなのか? 彼女の立場、そして企業の立場で考えてみる。 約3時間半かけて彼女らの希望が決まり、企業に伝えることに。
ちなみに、この企業ではネパール人だけでなく、先輩の実習生であるベトナム人やインドネシア人学生も活躍している。
❖コロナ禍の生活に耐える❖
企業の中で実習を行う彼女らも企業のルールを守り、不自由なコロナ禍の生活を虐げられている。 他の日本人も皆いっしょなので、【大丈夫!】と言っているが、私たちの中から絶対にコロナを出してはいけないと思い、必死に我慢していると思う。
訪れるたび、彼女から一杯笑顔のエネルギーをもらう。
実習生だけで東京へ行った思い出を楽しく語ってくれた!
【余談】 私自身、28年間ネパールとかかわり、ネパールの文化にどっぷりとつかってきた身として、日本人が話す言葉とネパール人が話す言葉では多岐にわたり、大きく違うことがある。
その例が【直ぐ】である。 あなたにとって、【すぐ】はどのくらいの時間? 人によっては数秒であるし、ある人は数分以内なら【直ぐ】と言うだろう。 しかし、ヒマラヤの大自然で育ってきた彼女らにとって、時間の感覚は全く違うのである。 日本に慣れている今は大丈夫であるが・・・彼女らの【直ぐ】は1時間以内なら、【直ぐ】という感覚がある。
このような言葉一つとっても違うことが沢山あるので、ネパール人と話をする時は相手の生活環境等を理解した上で話さないと、正しく相手と話ができない。