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ネパールが抱えている特定技能VISA問題

留学生を日本に送っているネパールの日本語学校からの要望で、短期間であるが現地視察に出かけてきた。 実習生に関する視察だったが、ネパールが抱えている特定技能VISAの実情が見えてきたので紹介したい。

ネパールの学生を検討している企業様! ネパールの現状をぜひ知っていただき、この情報を有効活用して頂きたい。

現在、ネパールでは特定技能ビザを取得し、日本へ行きたい学生は非常に多い。 留学生ほどではないが、多くの学生が特定技能ビザ取得を目指して、日々勉強している。

どの学校に行っても学生の割合は、特定技能(45~50%)、留学(50~60%)実習生とその他(0~5%弱)、という感じであった。

2023年3月末現在、日本からの特定技能に関する企業からの要望はほとんど無くなっているという。 入国が始まったちょうど一年前は、特定技能ビザを取得して日本を目指す学生で溢れ、計1000人ほどが海を渡ったが、今は皆無に等しい。

特定技能ビザを専門に携わっている者から訊くと・・・・

日本の企業が求めている日本語レベルは最低N3級以上が必要。 すでに日本に来ている来日3年程度の学生(留学生・実習生・他のビザ)と同等レベル以上でないと、面接すら受けられないという現実に頭を抱えていた。 つまり、労働力として呼ぶため、日本語ができないと仕事にならないという考えだそうだ。

法律上、N4級以上有れば特定技能ビザは取得できるが、実際はそれ以上のレベルの日本語力を求められ、ネパールの学生はそこまでの日本語を学ばない現実がある。

また母国から来た学生の多くは、日本に来る前から企業をいつでも変更できることを知っている。そのため時給が良い企業があると直ぐに移りたい・・・言いだし、問題になるという。 ネパール側での教育が不十分によってトラブルが頻発している。

既に、N3級、N2級取得、同等以上の日本語を話す者も多いのがネパール。 しかし、彼らは何らかの法律違反を行い、日本から強制的に戻されてしまった学生であり、申請してもビザが下りない。

特定技能ビザ取得を目的に日本語を学ぶ学生に訊いてみると・・・・

留学生ビザの発給率が非常に低いため、どの日本語学校も新たなビジネスチャンスとして特定技能ビザを取得したら簡単に日本に行けると謳う。

日本語学校に通うようになって、何カ月たってもまったく日本に行けていない現実を知る。 日本からの募集が沢山ある、誰でも簡単に行けると言っていたのに、誰も行くことができない! 不満を募らせる学生が非常に多い。

まとめ:

特定技能は、日本政府が外国人労働者としてビザを発給することを認める制度だが、安易に日本を目指そうとする学生やそれをビジネスとしてとらえようとする日本語学校によって、制度の本来あるべき姿がおかしくなってしまっている。 ネパールの学生が他国の学生の事を知り、もっと意欲的に勉強して圧倒的な日本語力を身に付けるようになれば、ネパールからも引き続き、日本へ行けるチャンスが増えると考える。 なぜ、努力をしないのか・・・30年に渡りネパールと携わってきているが、努力するネパール人は今も非常に少ないのが残念だ。

 

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