企業面接への大きな感覚のズレ!
【事例】
ネパール人実習生が企業面接を受ける時、彼らは面接者全員合格すると思って面接を受けに来ている。 面接を終え、厳正な審査のうえで発表される合格者の名前を伝えると・・・ 学生の中から突然不満を漏らす者が続出することを知っているだろうか?
【背景】
ネパール人学生は、ネパールの大多数が出稼ぎに行く国(中東やマレーシア)の面接スタイルの感覚で、日本企業の面接を受けに来ているのだ。 日本以外の国では人材の大量募集(100人以上が通常)が当たり前で、ネパールの送り出し機関が面接募集する人数は要望数のプラス1またはプラス2である。 つまり、100人の募集があった場合、実際に面接に来てもらう人数は101人または102人である。 面接に来た人というよりは、意思を確認しただけで面接が合格となるのが、ネパールの常識である。
ネパールの送り出し機関は・・・日本企業の面接合格者数を事前に学生には伝えず(合格者数が少ないと学生が集まらないという考えが働く)・・・おまけに日本からの面接予定人数を合わせることに専念しがち。 そのため、企業側の細かい要望は二の次。 また、学生の自己都合で予定されている面接に来ない(連絡も無く)学生も他国に比べて多いのが特徴である。
ベトナムやインドネシアの実習生を選ぶ時の感覚でネパールで面接を行おうとしても、ネパール人が思い描く感覚を理解しないと面接一つとっても無意味なことである。 ネパールは通信事情も悪すぎるため、途中で停電をはじめ、回線普通でオンライン面接は苦労の連続が当たり前。
【ネパール人を正しく知るために・・・】
多くの企業がネパール人を肯定的に思って、採用していただくことは非常にうれしいことである。 しかしプラス面だけを見てネパール人が他国より適していると判断するのは・・・必ず失敗に繋がると思う。
ネパール人実習生を雇用し成功している企業ほど、むしろ、彼らのマイナス面をしっかりと理解し、どのようにしたらマイナス面を回避できるか? リスクマネージメントの視点でネパール人実習生を見ている。 リスクマネージメントすることで、自ずと結果はプラスになっていくと思う。
どこの国の実習生もプラス面、マイナス面がある。 トラブルがあるから、直ぐに別の国の実習生だ! と考えがちであるが、先ずはしっかりと国民性、文化を正しく理解し、そしてどのようなマイナス面があるのか? まずは知ることから始め、いろいろな視点で考えながら実践していくことが成功への近道であると確信する。
30年以上にわたりネパールを行き来し、ネパール内で暮らす様々な民族、あらゆる階層のネパール人と接してきた中で、一括りでは言えないネパール人の気質や文化の視点からどのようにすれば日本の文化・慣習に合わせることができるか? これからネパールと繋がりを持とうとする人にとって参考になれることを記載していきたい。
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