受け入れ企業が知っておくべき特定技能生の現地のリアル
日本で特定技能生の受け入れを検討する企業にとって、ネパールは有望な送り出し国の一つ。 しかし、現地の実情を理解しないまま採用を進めると、早期離職やミスマッチが発生しやすく、結果として企業側の負担が非常に大きくなる。 以下では、ネパールで日本語教育や就労準備に携わる現場から見える「本当の課題」を紹介。
1. 仕事選びの基準は“職種”ではなく“給料”
ネパールの若者の多くは、
- 仕事内容よりも月給の数字だけを重視
- 手取り額(控除後の金額)を理解していない
- 生活費や税金、社会保険の概念が薄い という者ばかり。
そのため、職種理解が浅いまま「給料が高いから」という理由だけで応募するケースが非常に多く、入国後に仕事内容とのギャップが生じる。
2. 定着率が低い最大の理由:1円でも高い給与への“移動文化”
ネパールでは、
- 「より高い給料の場所に移るのは当然」という価値観が一般的
- 長期的なキャリア形成よりも、短期的な収入最大化を優先
- 仕事への専門性や職業倫理よりも、収入の多寡が評価基準
このため、日本に来ても「1円でも高い給与の職場があればすぐ移動する」という行動が起こりやすく、企業側から見ると非常に不安定な人材。
3. 技能・職業理解の不足:入国後に“仕事ができない”問題
多くの学生は、
- 日本での実務内容を具体的に理解していない
- 特定技能に必要な基礎スキルが不足している
- 日本の職場文化(報連相、安全意識、時間厳守)に慣れていない
結果として、「日本に来ても仕事ができない」という状況が発生し、企業側の教育負担等が大き過ぎる。
4. なぜこうなるのか?:ネパール側の構造的背景
現地で長く教育に携わる立場から見ると、以下の要因が根本にある。
● 経済的困窮:家族の期待もあり、「とにかく海外で稼ぐ」ことが最優先。
● 情報の偏り:ネパールの送り出し機関やSNSが「高収入」を強調し、仕事内容やリスクが十分に伝わらない。
● 職業教育の不足:専門教育が皆無で、技能の基礎が身についていない。
● キャリア概念の未成熟:「同じ職場で長く働く」という価値観が根付いていない。
5. 企業が理解すべきポイント
ネパール人特定技能生を受け入れる際は、以下を前提として考える必要がある。
- 給与だけで動く人が多い
- 仕事内容への理解が浅いまま来日する
- 日本語教育を含むすべてにおいて高コストがかかる
- 長期定着を前提にするとリスクが高い
つまり、「日本側の常識」ではなく、「ネパール側の文化・価値観」も理解した上で、ネパールから直接特定技能生を採用するための戦略を組むことが不可欠
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